旅立ち 1日目〜3日目

これまでお世話になった会社の同僚や、友人、知人に挨拶回りをし禊を済ませ、引越の荷物をまとめ、いよいよ宮崎に向け出発の日がきた。

引越しと同日にアパートも解約していたが、初日に箱根を超えて三島まで行くため、昼間出発は辿りつけないということで、翌日深夜に出発することを決めていた。それまでの間はとにかく掃除して回った。(その後、そのおかげで敷金の大半が戻ってきた)

そして出発。初めてサイドバッグに荷物を入れ、フラフラする自転車を漕いでとにかく走った。やはり箱根峠は厳しかったが、今度は足を突きながらも何とか漕いで登り切ることが出来た。芦ノ湖で小休憩し、
東海道の三島までのおよそ5kmの下り坂を駆け抜ける爽快感は今でも憶えている。
14時ぐらいには予約した宿に到着。思った以上にオンボロ。かび臭い。三嶋大社を観光し就寝。

2日目。早朝3時に出発。元々シミュレーションでは9時に出発して9時間程度で120〜150km進めれば、午後に観光もできると踏んでいた。ただ早朝3時は真っ暗。都内と同じ調子で考えていたが国道の3車線の道路でも街頭がなく真っ暗。歩いてるのとは違い時速40kmは軽く出るロードバイクでは、相当な恐怖がある。なんとか夜が明けて安堵しているのもつかの間。今度は大型のトレーラーやダンプが自転車の横スレスレで100kmで飛ばしていく。すでに到着しているので言えることだが自転車で一番疲れるのは体力的なものより精神的なものだと思う。100k/h前後の30tトラックに跳ねられれば一発で肉片になる。故に常に緊張状態を強いられる。このときは本当吐きそうだったなw。それから、自転車禁止のバイパスに入って途中まで走ったりとハプニングもありながらも無事に静岡に到着。温泉に入り、うなぎを食い、ネカフェで休んだ。個室が煙草臭くて参った。

3日目。漫画喫茶はどうしても漫画を読んで寝不足になってしまうw。9時ぐらいに出発。浜名湖まではヨカッたが、愛知に入ってからが地獄だった。マナーがヒドイというか、車の運転手からの殺意が伝わってくるほど、スレスレのところをかっ飛ばす。それまではたいてい少しは避けてくれてた。これには相当参った。MPが完全に0になり、休むために公園を探す。岡崎城が目に止まったので急いで入る。あまりに疲れが溜まっていたのか、木陰でチャリを止め鍵もかけずに小一時間寝てしまう。人の気配がしたのかバサッ!と起き上がる。浮浪者風の男が自転車をジロジロ見てる。ウワーーー!ヤベー!!と思ったが、逆に話しかけられた。「あっ起こした?」ってw
どうやら、その人は長野かどこかから歩いて広島まで帰る途中だったんだとか。帰る途中で会社が倒産して、お金が無くなって浮浪者みたいな格好になったんだと。昔は自転車乗りで6台ぐらい保有してたんだけど全部乗ってて潰したんだとか言ってたな。で、サイドバッグを取り付けてるキャリアのネジが外れかかっててそれを教えようとしてくれてたらしい。もし外れてたらホイールもギアもグチャグチャになってたと思う。とんだ命の恩人だった。持っていた干し梅を上げてw豊田市まで急ぐ。3日目は妹の家。